CUATRO GATOS

2021年


1月    「絵画/音楽」のコロス の報告 井澤賢隆



2019年


12月  「絵画/音楽」コロス 井澤賢隆所持絵画等の展示&演奏・パフォーマンス

                *清水唯史、宮下直紀が参加しています。


 コロスとはギリシャ悲劇において設定されていた「歌舞合唱隊」のことで、「コーラス(合唱)」の語源となっている言葉です。ニーチェが「ギリシャ悲劇の本質はドラマ(劇)ではなく、コロスである。」(『悲劇の誕生』)と述べているように、コロスのあり方は実にスリリングです。

 コロスは円形の踊り場(オルケストラ)に登場し、劇の最後まで退場しません。そして、そこで歌舞しながら俳優ともやりとりし、観客をも先導します。つまり、コロスは進行する劇やそれを見る観客の外に立って、より高い永遠の次元から演じられる劇の深層を歌います。

 このようなコロスは、アテネという都市国家(ポリス)に住む人々(デモス)のあるべき姿を暗示しながら、その共同体の結束(ファッショ)を固めていく役割を果たしていました。一方、コロスの持つこの超越性は、人々を全体主義(ファシズム)という衆愚へと導く可能性を秘めていたとも言えます。

 現代の「演劇」には、このような「外部」としてのコロスはもはやありません。それは舞台装置や音響、ト書きやナレーションなどといったものによって「演劇」自体に内在化されてしまったと言ってもよいでしょう。この内在化によってコロスの持つ危険性を忘却した現代の「演劇」は、二重の?倒の中に陥っていると考えられます。

 翻って、「絵画」「彫刻」をはじめとする「美術」や「音楽」などの「芸術(テクネー)」は、それらに対する観客席(テアトロン=シアターの語源)が設けられるとき、まさに「コロス的存在」になっているのではないでしょうか。しかも現代の「観客」はこの構造を無意識的に内面化し、テアトロンから舞台そしてその奥のストア(柱廊=店)にまで上がり込んで興奮あるいは落胆しています。観客が舞台に上がったとき、まさに「悲劇」が死を迎えたことは、ニーチェが指摘したとおりです。そして、その衰退の残滓として発生したものこそが、「哲学(学問)」でした。

 端的に言って、ニーチェをベースにして私がこれまでに何度も述べてきたこんな構造自体を、言語の限界とファシズムを自覚しながら、今回の企画で再び照らし出せれば、と考えています。

 クリスマス・年末というご多用の中かと思いますが、『万葉集J「手児奈」ゆかりの地まで御足をお運びいただければ幸いです。皆様への切なる思いを胸にお待ちしています。  


日時: 12月24日(火)〜27日(金)10:00~16:30

会場:木内ギャラリー

   千葉県市川市真間4-11-4(京成線「国府台」より徒歩8分)

   TEL 047-371-4916

入場料:無料

連絡先:047-459-9690(井澤)


 ①絵画等展示(期間中常時)

  中西夏之 日比野克彦 吉岡耕二 山口嘉民(4点) 井上一恵 江嶋達彦 他の作品(全12点) 

  吉松俊英作品展

 ②「絵画」のコロス(パフォーマンス)

  日時: 12月25日(水)14:00~15:00

  演出・構成:井澤賢隆 清水唯史

  出演:清水唯史 森下貴史 宮下直紀 IZA

 ③「音楽」のコロス( IZAギター弾き語りとモノロゴス・ポリロゴス)

  日時: 12月26日(木)

  13:30~15:00

   IZA 宮澤賢治「妹とし子への挽歌」全13曲連弾唱 

   作曲:IZA 原詩: 宮澤賢治 編詩:井澤賢隆 歌とギター:IZA

  15:10~16:30

   モノロゴス・ポリロゴス(放話・群話) 

   「音楽・コロス・宮澤賢治」

   岡村民夫(法政大学国際文化学部教授 表象文化論 場所論)

   井澤賢隆(早稲田速記医療福祉専門学校非常勤講師 NHK学園講師/哲学)


11月  「go to 斉木耀・考」参加



2018年

11月  「go to 斉木耀・考」参加



2017年


11月  「go to 斉木耀・考」参加



2016年


7月    [every/no/w/hereー何処でもない其処と此処ー#6] 入間川正美+cuatro gatos公演「7月29日」



2015年


12月  [every/no/w/hereー何処でもない其処と此処ー#5] 入間川正美+cuatro gatos公演「12月22日」


8月『叢書・ヒドラ第1号 ~批評と運動~:特集・世界』創刊



2014年


2月0   水俣・ほっとはうす・ケアホーム・ワークショップ(一般非公開)



2011年


12月   トークセッション「 がんばるな!日本」


大岡淳(演出家・劇作家・批評家・普通劇場パフォーマー)

中島浩籌(法政大学・河合塾COSMO講師)

清水唯史(CUATRO GATOS・演出家)


普通劇場パフォーマンス『じぱんぐ零年』

日時:12月29日(木)19:00上演後

会場:フリースペース・カンバス(東京都文京区湯島2-4-8 湯島イガラシマンショ地下)



2010年


12月   CUATRO GATOS公演 [or con-tainer/taint] の中止に関して


12月   CUATRO GATOS公演 [or con-tainer/taint]


9月     第13回「知のワークショップ」知と身体の演出法(3)


6月『東京・松下(を読む)会 読書会ノート Vol.01』発刊

               *清水唯史が参加している会のブックレットです。



2008年


11月 「水俣から伝える」展示/授業/演劇 ほっとはうす+CUATRO GATOS公演 [rest/labor 2]


10月   ブックレット『水俣/胎児性患者からの表現をめぐって』発刊


 

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