MORG 92 — 日本・ポーランド芸術交流プロジェクト

 MORGとは……

 MOLECULAR(八戸)、OST-ORGAN(名古屋)、CUATRO GATOS(東京)の絶対演劇派に、いわば「第四の絶演派」と呼んでも過言ではないAKADEMIA RUCHU(ワルシャワ)を加えた4グループが、このプロジェクトの実質的運営主体にあたることから由来します。

ポストGULF & WALL(湾岸以後・壁以後)の世界史的転換の時代をどのように展望すべきでしょうか。その時に、壁崩壊を内側から成しとげた旧東欧の先端的な芸術思想を知ることが、展望の一助となるはずです。私たちMORG92は、世界的再評価の高まる1920年代ザコパネの演劇芸術家ヴィトカツィと、1990年代ワルシャワの演劇芸術家ヴォイチェフ・クルコウスキ率いる「アカデミア・ルフ」、この二つのポーランドに注目しました。私たちの提唱する〈絶対演劇〉は、ヴィトカツィ思想の核心たる“純粋形式”を新たに捉え返したものであり、それはまた知的実験に富む「ルフ」の演劇思想とも通脈するところです。そうした視点から、今回の双方的芸術交流が企画されたわけです。まず、92年9月には、「ルフ」の招きにより、「モレキュラー」を主体に「ガトス」「オスト」合同チームがポーランド他バルト海沿岸三ヶ国へ、ヴィトカツィに基づく舞台「肖像画商会(B-TALKIE-BITS)」をもって巡演し、交流を深めます。豊島・清水・海上による絶対演劇ワークショップや「[en-bis]」上演も予定されています。続いて、同10月〜11月、今度は日本の三劇団がポーランドより「ルフ」を東京・横浜・名古屋に招き、87年「ドクメンタ8」で評判となった『English Lesson』や92年6月「全米ツアー」(N.Y.の「P.S.1」現代美術館や「シカゴ国際演劇祭」「L.A.現代美術展」他)で話題をまいたばかりの『Everyday Life Ⅱ』を上演、とともに「ヴィトカツィと絶対演劇」をテーマに数回の公開討議=コロックでもって、交流をさらに深めたいと考えます。


1992年9月11日(金)〜11月7日(土)


会場:フォンクラール劇場(エストニア)

   ワルシャワ現代美術館( ポーランド)

   ヘルシンキ文化センター( フィンランド)

   玉川高島屋アレーナホール(東京)

   横浜美術館レクチャーホール(神奈川県横浜市)

   佐賀町エキジビットスペース(東京)

   両国シアターX(東京)

   名古屋港JETTY EAST(愛知県名古屋市)

料金:玉川高島屋アレーナホール:前売4,000円、当日4,500円

   横浜美術館レクチャーホール:前売4,000円、当日4,500円

   佐賀町エキジビットスペース:前売3,500円、当日4,000円

   名古屋港JETTY EAST:前売3,500円、当日4,000円

   両国シアターX:前売3,500円、当日4,000円

共催:横浜市=横浜公演 JETTY=名古屋公演

協賛:(財)セゾン文化財団 資生堂 玉川高島屋S・C

後援:駐日ポーランド共和国大使館 国際交流基金 

   企業メセナ協議会 東京都文化振興会

   CBC 中日新聞本社 愛知県 名古屋市 

   なごや国際交流団体協議会 名古屋港管理組合

協力:佐賀町エキジビットスペース 横浜美術館 

   ガバンツァ アブラクサス INPA-SCORPIO



■ フォンクラール劇場(エストニア)

9月11日(金)、12日(土)PM7:00

 MOLECULAR公演「FACADE FIRM」


9月12日(土)PM2:00

 CUATRO GATOS公演 [ en-bis #prototype ]

 構成/演出:清水唯史

 出演:湯田康 田中紀子



■ ワルシャワ現代美術館( ポーランド)

9月15日(日)、16日(水)、17日(木)PM7:00

 MOLECULAR公演「FACADE FIRM」


9月17日(木)PM2:00

 CUATRO GATOS公演[en-bis #prototype]



■ ヘルシンキ文化センター( フィンランド)

9月21日(月)PM7:00

 MOLECULAR公演「FACADE FIRM」



■ 玉川高島屋アレーナホール

10月27日(火)、28日(水)、29日(木)PM7:00

 AKADEMIA RUCHU公演「Everyday Life Ⅱ」

 テクスト/演出/美術:ヴォイチェフ・クルコウスキ

 スタッフ:ヤロスワフ・ジヴィルブリス ヤン・ピエニアジェク

 出演:ヤヌシュ・バウディガ ヨランタ・クルコフスカ チェザーリ・マルチャクズビグニエフ・オルキェヴィチ 

   クシシトフ・ジヴィルブリス


アカデミア・ルフ(動きの学派)=1973年、ワルシャワの美大生10数名が、ヴォイチェフ・クルコウスキを芸術監督として結成。既成のテクスト演劇に異議を唱え、人間の社会行動における「身体言語と視覚記号」の斬新な結合を目指して、以後ワークショップや街頭プレゼンテーションを続けた。1974年、南米ベネズエラ開催の「カラカス国際演劇祭」招待公演。1977年、「ナンシー(仏)国際演劇祭」招待公演。一躍、欧米にも知られる。1979年〜81年、「ブリュッセル(ベルギー)国際演劇祭」に連続招待され、自作『大革命の日常生活』『英語のレッスン』等の公演とワークショップを行う。これに影響された若きヤン・ファーブルが、その後「劇的狂気の力」(86年東京公演)で世界中を驚嘆させたのは、まだ記憶に新しい。1982年〜91年、「エジンバラ国際演劇祭」「ドクメンタ」など英、仏、独、伊ほか海外招待多数。1992年6月、「シカゴ国際演劇祭」「ロス現代美術展」「シアトル芸術祭」ほかで全米ツアーを成功させた。


10月27日(火)PM8:15

 コロック「カントールと ヴィトカツィ」

 ヴォイチェフ・クルコウスキ(アカデミア・ルフ演出、ワルシャワ現代美術館館長) 

 小原雅俊(ポーランド文学、大東文化大学教授)  内野儀(現代アメリカ演劇、東京大学助教授)

 司会:海上宏美(オスト・オルガン演出)  清水唯史


10月28日(水)PM8:15

 コロック「アカデミア・ルフと絶対演劇」

 ヴォイチェフ・クルコウスキ 井澤賢隆(哲学) 

 司会:豊島重之(モレキュラー演出、精神科医)  海上宏美 清水唯史 

 オブザーバー:関口時正(ポーランド文学、東京外語大学助教授)


10月29日(木)PM8:15

 コロック「肖像画をめぐって/アルトーとヴィトカツィ」

 ヴォイチェフ・クルコウスキ 矢野静明(画家)  及川廣信(演出、INPA-SCORPIO代表)

 司会:豊島重之 海上宏美 清水唯史



■ 横浜美術館レクチャーホール

11月1日(日) PM2:00 、PM7:00

 CUATRO GATOS公演 [ en-bis ]

 構成/演出/美術:清水唯史

 作曲:オカニワフミヒロ(BASS HAHA)

 照明: 湯田康

 スライド: 及川俊彦

 コスチューム:中蔵愉美

 出演:湯田康 田中紀子 葛巻欣久 鈴木清美 芳村みどり

 スタッフ:田中聡 清水基


11月1日(日) PM2:50 、PM7:50

 AKADEMIA RUCHU公演「Everyday Life Ⅱ」



■ 佐賀町エキジビットスペース

11月3日(火=祝) PM6:00 、 4日(水) PM7:00 、 5日(木) PM8:20

 AKADEMIA RUCHU公演「English Lesson ’92」

 テクスト/演出/美術:ヴォイチェフ・クルコウスキ

 スタッフ:ヤロスワフ・ジヴィルブリス ヤン・ピエニアジェク

 出演:ヤヌシュ・バウディガ ヨランタ・クルコフスカ チェザーリ・マルチャク ズビグニエフ・オルキェヴィチ 

    クシシトフ・ジヴィルブリス


11月3日(火=祝) PM6:50 、 4日(水) PM7:40

 ヴォイチェフ・クルコウスキ「美術・演劇公開ワークショップ」


11月 5日(木) PM7:30

 CUATRO GATOS公演 [en-bis #2 ]



■ 両国シアターX

11月1日(日)PM7:00、2日(月) PM7:00、3日(火=祝) PM2:00

 MOLECULAR公演「肖像画商会」


11月3日(火=祝) PM3:30

 コロック「ヴィトカツィの現代的意義」

 ヴォイチェフ・クルコウスキ 松本小四郎(演劇批評、水戸芸術館ACM劇場支配人) 

 司会:豊島重之



■ 名古屋港JETTY EAST

11月6日(金) PM7:30

 AKADEMIA RUCHU公演「English Lesson ’92」


11月6日(金) PM8:30、7日(土)PM8:30

 AKADEMIA RUCHU公演「 Everyday Life Ⅱ」


11月7日(土)PM7:30

 OST-ORGAN公演「Nombres PARATAXIS」

 

CUATRO GATOS

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