チッソと国の水俣病責任を問うシンポジウム 第7回 水俣病は、終われない
*清水唯史が実行委員として参加しています。
水俣病未認定患者の特措法救済(第二次政治決着)は、6万人ものエントリーが続くさなか、今年7月末で強行閉鎖されました。熊本・鹿児島・新潟県の判定結果は未公表ですが、地域や年齢での不当な線引きもあり、少なからずの患者が切り捨てられることは必至です。「あたう限りの救済」を標榜していた環境省は、予想を超えた潜在患者の台頭にあわて、チッソへの更なる追加融資を恐れて、締め切り強行へと舵を切りました。これは、チッソの免責を第一義としていた特措法の限界が露呈したに他なりません。特措法救済の一時金(ひとり210万円)は、国がチッソに融資し、後日、チッソは分社JNCの「株売却益」でそれを返済する仕組みですが、補償に見合う金額が回収される裏づけはなく、そもそも一度の株売却で以後チッソ採算部門を免責することは到底認められません。その一方で、国自らが補償はしないという不当な姿勢に終始しています。患者数が被害実態ではなく財政事情から決められるという理不尽は、半世紀前の「見舞金契約」と全く同じです。
そんな状況下、水俣や、対岸の島々や、移住先の全国各地でいまも未認定の水俣病に苦しみ、またその被害や補償を認めさせる闘いを続けている人々がいます。今回シンポジウムでは、認定基準をめぐる最先端の問題をFさん訴訟弁護団のお話から学び、被害の広がりが際限ないことを坂本さんやおしたさんのお話を通じて考えます。
来る2013年には国際水銀条約や海づくり全国大会(植樹祭の海洋版)が熊本・水俣で予定されており、熊本県や環境省は「水俣病も環境汚染も終わった」と喧伝したいところでしょうが、とてもそんな状況ではなく、行政やチッソの理不尽により、「水俣病は、終われない」状況が続いているのです。
水俣病被害の全貌を正しく把握し、国やチッソにまっとうな責任を取らせるために、シンポジウムへのご参加をよびかけます。
日時:2012年12月8日(土)13:00~17:00(12:30開場)
会場:YMCAアジア青少年センター 9階国際ホール
東京都千代田区猿楽町2-5-5(JR水道橋から徒歩5分/JRお茶の水から徒歩7分)
TEL 03-3233-0611
参加費:500円(高校生以下半額)
《プログラム》(敬称略 順不同)
○開会あいさつ
鷹取良典(シンポジウム実行委員長)
○講演「チッソの経営状況と補償の現在」
矢作正(経営学/「技術と社会」資料館)
○講演「水俣病に学び伝えたいこと」
坂本龍虹(水俣病被害市民の会)
○講演「我が家の水俣病事件」
おしたようこ(兵庫県出身/胎児性患者疑い)
○報告「水俣病と国際条約 闘いや活動の諸報告」
山口紀洋(溝口訴訟弁護団)
谷洋一(水俣病被害者互助会事務局)
加藤タケ子(ほっとはうす)
安間武(化学物質問題市民研究会)
○パネル討論
懇親会:18:00~20:00(別会計)
主催:チッソと国の水俣病責任を問うシンポジウム実行委員会
〒101-0063 東京都千代田区神田淡路町1-21-7 静和ビル1A
Tel/Fax 03- 3312-1398(昼留守録) Mail y-kbt@nifty.com(シンポ実行委事務局 久保田)
協力:東京・水俣病を告発する会/最首塾