チッソと国の水俣病責任を問うシンポジウム 第5回 震災・原発事故と水俣病

*清水唯史が実行委員として参加しています。


 3.11東日本大震災と福島原発事故は、水俣病問題とも様々な関連があり、被災地への救援や、水俣病と放射能被害の共通性を問う様々な活動が続けられています。今回はまず「震災から、水俣が教訓とすべきこと」について考えます。

 今般の地震は、三陸沿岸に津波の被害を起こしたと同時に、東日本の沿岸埋立地に「液状化による側方流動」という地盤の崩壊をもたらしました。千葉県湾岸部では、チッソ五井工場に隣接の石油精製工場のタンクが倒れ、数日間炎上するという事態が生じましたが、震災による地盤の液状化が水俣湾埋立地で起きたら、暫定的に封じ込めた水銀ヘドロが不知火海に再び流出する危険があります。震災による首都圏の地盤液状化を報じた報道番組を上映したあと、現地の山下善寛さんから、水俣湾埋立地と八幡プールの水銀汚染問題の報告を受け、チッソが負うべき環境責任について考えます。

 福島原発は汚染の収束に向けて楽観できない状況が続きます。避難や除染についても、被害者の立場に立ったものとなっているかが問われています。学校のグラウンドの汚染許容値を年20ミリシーベルトとした文部科学省の施策に対し福島の子どもたちや保護者とともに異を唱え続けてきたアイリーン・美緒子・スミスさんに、長年の反原発活動も踏まえて福島第一をはじめとする日本の原発の今後のあり方についてじっくりお話を伺います。

 私たちはチッソ分社化逃亡の道を開いた2009「水俣病特措法」に反対し、チッソと国の水俣病責任を問うシンポジウムを続けてきましたが、今夏国会で成立した「原子力損害賠償支援機構法」が、これまたとんでもない「加害者救済法」であることに危機感を持ちます。原因企業・東電のみならず、銀行などの株主や出資者まで「救済」するという本末転倒は、企業倫理や社会正義に著しく反します。これも、声を大にして訴えねばなりません。

 世は脱原発の方向へと徐々に向かっていますが、責任の所在を曖昧にしたままでは真の脱原発は実現できません。皆様のシンポジウムへのご参集をお願いします。


日時:2011年11月3日(木=祭日)13:00~17:00(12:30開場)

会場:YMCAアジア青少年センター(在日韓国YMCA)9階国際ホール

   東京都千代田区猿楽町2-5-5(JR水道橋から徒歩5分/JRお茶の水から徒歩7分)

   TEL 03-3233-0611 参加費:1,000円(高校生以下半額)


《プログラム》(敬称略 順不同)

 ○上映「震災による埋立地の液状化」(NHK特集抜粋)

 ○講演「水俣湾埋立地と八幡プールの環境問題」

  山下善寛 (水俣の暮らしを守る みんなの会/元チッソ第一組合委員長)

 ○あいさつ

  佐藤英樹(第二世代訴訟原告/水俣病被害者互助会会長)

 ○報告1「政治決着で終わらぬ未認定問題」

  谷洋一(被害者互助会事務局/水俣ほたるの家)       

 ○報告2「胎児性患者の現状と課題」

  加藤タケ子(ほっとはうす施設長)

 ○講演「福島の被害から世界に訴えること」

  アイリーン・美緒子・スミス(グリーン・アクション)

 ○パネル討論「企業の責任、国の責任」

  発題・司会:細谷孝(中央大学)      

 ○アピール「反原発署名の呼びかけ」

  半田隆(元水俣病を告発する会)


主催:チッソと国の水俣病責任を問うシンポジウム実行委員会 

   〒101-0063 東京都千代田区神田淡路町1-21-7 静和ビル1A

   東京・水俣病を告発する会 気付(シンポ実行委事務局 久保田)


協力:東京・水俣病を告発する会/最首塾

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