チッソと国の水俣病責任を問うシンポジウム 第4回 緊急シンポジウム 震災・原発事故と水俣病
*清水唯史が実行委員として参加しています。
公式確認から5月で55年目を迎える水俣病は、第二次の認定患者救済補償(司法和解・特措法救済)が不知火海沿岸の約5万人を対象に実施されています。しかし、その一方で補償の矢面に立つチッソ株式会社の過度な優遇が進んでおり、4月から、子会社JNCが「水俣病に責任を負わない会社」として営業を始めます。
また、1月には千葉県幕張で水銀条約2013年締結へ向けての政府間交渉会議(INC2)が開かれました。米国オバマ政権による環境政策転換に右ならえで規制推進に転じた日本政府は、条約締結を水俣で行う案を示していますが、水俣病をめぐる政策も、水銀規制の対策も、世界に向かって胸を張れるものとは言い難い状況です。未認定患者救済・チッソ分社の株売却・水銀条約締結……水俣病は2013年度に大きな「節目」を迎えることになりますが、九州の一地方の問題として風化が懸念される中、現時点の諸問題を、ぜひ首都圏の皆様にお伝えしておきたいと思います。
ところで、焦眉の急は、東日本大震災・津波と、それを機に重大な事故の連鎖が起こった福島原発の問題です。首都圏にある私たちは、被災規模の大きさと深刻さに心を痛めると同時に、計画停電の不便や放射能広域汚染の不安を通じて、否応なく原発事故に巻き込まれています。そんな中で現状をどう捉え、何をすべきか?
「宇井純さんを偲ぶ会」の仲間で、公害や原発の問題に長年取り組んでおられる市民エネルギー研究所の菅井益郎さんに急遽、講演をお願いしました。菅井さんは福島原発の多重な事故と被害を分析し、各所で訴えを続けておられます。
また、阪神大震災の際に地元の水俣病支援メンバーと連動して救援活動に当たった谷洋一さんは、今回も生協のつてをたどって米沢市に入り、そこをベースに被災地や、福島原発周辺地区からの避難者の現状を見て来られました。
お二方のリアルタイムの報告を元に、この未曾有の災害と環境汚染にどう立ち向かうかを、水俣病の教訓や経験が活かされているかの検証も含めて考察します。
当初予定の「水俣病シンポジウム」を急遽二部構成に切り替えての緊急実施です。皆様のご参集を呼びかけます。
日時2011年4月3日(日)13:00~17:00(12:30開場)
会場:YMCAアジア青少年センター(在日韓国YMCA)9階国際ホール
東京都千代田区猿楽町2-5-5(JR水道橋から徒歩5分/JRお茶の水から徒歩7分)
TEL 03-3233-0611
参加費:500円(高校生以下無料)
《プログラム》(敬称略 順不同)
第一部:水俣病の現在
○上映「分社化を問う2011.3.2チッソ本社交渉」
○開会あいさつ
鷹取良典(シンポジウム実行委員長)
○水俣からの報告「未認定問題の現状」
谷洋一(水俣病被害者互助会事務局)
○研究会報告
細谷孝(環不知火地域再生研究会/中央大)
○報告「水銀条約へ向けた政府間交渉会議/国際NGOの水俣連帯を中心に」
安間武(化学物質問題市民研究会)
第二部:震災と原発事故
○黙祷
○講演「福島原発の現状と私たちのなすべきこと」
菅井益郎(市民エネルギー研究所/国学院大)
○報告「被災地救援活動で見聞したこと」
谷洋一(同上/NPO法人水俣病協働センター)
○質疑・討論
主催:チッソと国の水俣病責任を問うシンポジウム実行委員会
〒101-0063 東京都千代田区神田淡路町1-21-7 静和ビル1A
東京・水俣病を告発する会 気付(シンポ実行委事務局 久保田)