チッソと国の水俣病責任を問うシンポジウム 第18回 土本典昭さん逝去10年 水俣病の情報開示と記録保存を考える
*清水唯史が実行委員として参加しています。
水俣病は公式確認62年を経ましたが、今も裁判や認定申請が続いています。国の政府では財務省・防衛省・厚労省で文書の秘匿や改竄が問われていますが、水俣病も、病因物質や企業内部の情報がもっと早く開示されていたら被害が少なく済んだことは明らかです。そして今、水俣病認定基準をめぐって、情報開示請求が重要な成果を挙げつつあります。
今年6月は土本典昭さんの逝去から10年。土本さんは水俣病のドキュメンタリー映画監督として著名ですが、例えば『医学としての水俣病』のなかでは医師や工場労働者が撮った初期映像を作品に取り込むなど、貴重な動画の収集保存にも尽力されました。「記録なければ事実なし」との言葉は、不都合なことは「なかったこと」にしようとする者との闘いや、世の中への訴えかけにおいて、記録の力がかけがえないことを強調した至言です。
文献資料の探索と開示、映像記録の収集と保存……論点は多岐にわたりますが、桑原史成さんや大治浩之輔さん……ドキュメンタリーの先達に学び、現在の課題を探ります。
後段では、熊本と水俣の裁判闘争などの現在について、現場からの報告を受けます。ご参加を呼びかけます。
日時: 2018年6月9日(土) 午前の部:10:10~12:30(10:00開場) 2階小会議室
日時: 2018年6月9日(土) 午後の部:13:00~17:00(12:30開場) 9階国際ホール
会場:YMCAアジア青少年センター
東京都千代田区猿楽町2-5-5(JR水道橋から徒歩5分/JRお茶の水から徒歩7分)
TEL 03-3233-0611
資料代:午前の部 500円
午後の部 1,000円(学生/午前の部参加者 500円)
《プログラム》(敬称略 順不同)
午前の部:
○石牟礼道子さんを偲ぶ TVドキュメント上映会
「くまもと物語/潮満ち来れば 水俣市」 1988 RKK熊本放送(45分)
熊本放送開局35周年のドキュメントシリーズ。春日事務所保存のベータ録画をDVD化したお宝映像
内容=薩摩との県境の境川/石飛分校/一向宗徒をかくまった源光寺/「浜囲蔵」の深水家・徳富家/佐藤武春
さんと茂道・自主交渉闘争/鬼塚巌さんと侍・チッソ資料/30年前の石牟礼道子さんが語るチッソと水俣病
「花を奉る/石牟礼道子の世界」 2012 NHK Eテレ(90分)
内容=夫の弘先生らと苦海浄土を書いた部屋を訪ねる86歳の道子さん/坂本キヨ子さん花びら供養/チッソと不
知火海/祖母おもかさま/大廻の塘(うまわりのとも)の狐/戦中戦後の代用教員/明水園を訪ね胎児性患者と
会う(半永一光、鬼塚勇治、加賀田清子)/1970チッソ株主総会/原田正純さんの来訪/特措法救済受付の終了
午後の部:
第一部:
○映像記録を残す
上映「変わりゆくもの・変わらぬもの」 1998 撮影;土本典昭/撮影・編集: 土本基子(17分)
※一般未公開
お話 土本基子(土本典昭さんお連れ合い)
お話 桑原 史成(フォト・ジャーナリスト)
○行政文書を見いだす
お話「初期の水俣病行政文書の入手と活用」
大治 浩之輔(元NHK記者)
お話「水俣病判断条件や新通知をめぐる情報開示請求」
鈴村多賀志(溝口訴訟弁護団事務局)
第二部:
○報告「新潟認定訴訟・三次訴訟東京高裁判決を受けて」
萩野直路(新潟・三次訴訟を支える会事務局)
○報告「互助会第二世代国賠訴訟、行政認定訴訟の現在」
山口紀洋(互助会両訴訟弁護団/弁護士)
○報告「公式確認62年 水俣や沿岸住民の現状と課題」
谷洋一(水俣病被害者互助会事務局)
まとめに替えて:
○水俣動画収集保存プロジェクトについての呼びかけ
実行委員会・告発する会
主催:チッソと国の水俣病責任を問うシンポジウム実行委員会
〒101-0063 東京都千代田区神田淡路町1-21-7 静和ビル1A
東京・水俣病を告発する会 気付(シンポ実行委事務局・久保田)
協力:東京・水俣病を告発する会/最首塾