チッソと国の水俣病責任を問うシンポジウム 第14回 公式確認60年 水俣病が「終わらない」のは何故か?
*清水唯史が実行委員として参加しています。
水俣病公式確認から60年目の今も、未認定患者の裁判が全国で十数件続いています。全うな住民健康調査も棚上げのまま。水銀規制条約が批准されても水俣湾埋立地や八幡プールの汚染サイトが放置されていること、チッソが子会社株を売却し補償責任から免責される可能性が続くこと、課題は山積です。
胎児・小児性患者のケアなど、水俣病に罹患した人が生きている限り続く苦難があるのはもちろんです。しかし、未認定や補償をめぐる問題に限っても、(1959年の「見舞金契約」は公序良俗違反の烙印を押されましたが、)、<1973認定患者への補償協定> <1995村山内閣での政府解決> <2009 特措法と司法和解>。いずれの時点でも、水俣病問題は解決とされ、そこで「終わった」可能性は十分ありました。ところが水俣病闘争は、今も現役の社会運動として、「終わっていない」。それは何故か?
根底的な理由は、行政やチッソの隠蔽や責任回避です。被害規模も、加害過程とその責任も、未解明のことが多々。けれどそれと同じぐらいに重要なのは、「曖昧な決着で終わらせまい」とする、果敢で持続的な当事者の闘いがその都度あったことです。そうでなければ、とっくに教科書にも過去完了形で書かれていたはず。今回は水俣病の課題と闘いが「終わっていない」ことを、上記のようなプラス・マイナス両面から考えます。
メインゲストとして、前回の桑原史成さんに続き、写真家の宮本成美さんをお招きします。その写真投影とお話から、東京が主舞台になった時代も含めて水俣病と闘いの歴史を見つめます。そして現下の裁判闘争や患者の症状と生活については、レギュラー4講師から「終わっていない」現実の報告を受けます。ご参集をお願いします。
日時: 2016年6月25日(土)13:00~17:00(12:30開場)
会場:YMCAアジア青少年センター 9階国際ホール
東京都千代田区猿楽町2-5-5(JR水道橋から徒歩5分/JRお茶の水から徒歩7分)
TEL 03-3233-0611
参加費:1,000円(学生半額)
《プログラム》(敬称略)
○写真投影・お話「まだ名付けられていないものへ、またはすでに忘れられた名前のために」
宮本成美(写真家)
○お話
若槻登美雄(「ノアノア」元店主)
○報告「新潟3次訴訟・行政訴訟の経過と課題」
萩野直路(3次訴訟を支援する会事務局)
○報告「食品衛生調査義務付け訴訟・互助会訴訟について」
山口紀洋(訴訟弁護団/弁護士)
○報告「公式確認60年現地報告+震災の現在」
谷洋一(被害者互助会事務局)
○報告「胎児性患者と母たちの近況」
加藤タケ子(ほっとはうす)
主催:チッソと国の水俣病責任を問うシンポジウム実行委員会
〒101-0063 東京都千代田区神田淡路町1-21-7 静和ビル1A
Tel/Fax 03- 3312-1398(昼留守録) Mail y-kbt@nifty.com(シンポ実行委事務局・久保田)
協力:東京・水俣病を告発する会/最首塾